第217回 佐保カルチャー報告 2015年3月31日(火)

坂本先生と行く 万葉散歩 「万葉岬から室津をめぐる」を開催しました。

 3月末とはいえ、初夏のような好天のもと、6回目の「坂本先生と行く万葉散歩」を楽しく終了しました。

 その昔、万葉歌人山部赤人が、いくつもの歌を詠んだことから名づけられた「万葉岬」。細く曲がりくねった道をバスで上ると、桜の花が迎えてくれて感動。小高い岬のつばき園からは、万葉集に詠まれた大小の島々を浮かべた瀬戸内の風景が広がり、古人の思いに心を馳せました。

 その後訪れた室津の町は、かつて唐や新羅への往来や、参勤交代の船などの海と陸との接点として栄えた宿場町。現在は牡蛎の養殖の盛んな港町として磯の香りが漂い、散策をするのにはぴったり。岬の先端に鎮座する平清盛ゆかりの壮麗な賀茂神社にも驚かされました。

 今は観光地として訪れる風光明媚な瀬戸内海は、かつては苦難の海路、人々の別離、望郷、又、生きるための厳しい仕事の場

でした。そして数々の抒情の歌が詠まれ、万葉集に出てくる地名としては、奈良、大阪に次いで多いのが兵庫県の地名であると知ったのも、今回の旅でした。