第218回 佐保カルチャー報告 2015年4月18日(土)

講演会「邪馬台国はどこにあるか ー 大和・新論」開催されました。 

       講師 奈良女子大学副学長 小路田 泰直先生

 

 奈良女子大学社会連携センター後援の講演会を 副学長の小路田 泰直先生をお迎えして開催。

佐保会館2階大ホールが、満席になるほど(参加者80名、その内、男性が4分の1)の盛況で、関心の高さが窺われました。

 

 小路田先生は、邪馬台国論争を専門の日本近代史から読み解いていらっしゃいます。

邪馬台国論争が顕著になったのは、1910年韓国併合の年であり、つまり、この年から、日本のスケールが一挙に変わったことに関連があり、その後今日まで100年間、この論争が続いていることに大きな意味があると、述べられています。

 

 魏志倭人伝に記されている邪馬台国への経路「・・・水行二十日・・・さらに水行十日 陸行一月」をたどると、瀬戸内航路からの大和への路は矛盾点があると指摘され、日本海からの経路で読み解くと、大和説が綺麗に符合すると述べられました。

  吉野ケ里遺跡は、鏡が一枚も出土していないことから、おそらく、邪馬台国と対立していた狗奴国(くなこく)ではないかというのが先生の考えでした。

 

 講演の後の質疑応答では、反論や疑問点を述べられる方もあり、この論争は、まだまだ活発に続きそうです。