第224回佐保カルチャー         

 「ボランティアガイドと歩く  今井町の街並み」を開催しました。

         平成28年11月12日(土)午後1時~3時30分

 

 爽やかな秋晴れのもと、参加者23名は二班に分かれ、ボランティアガイドの詳しく分かりやすい説明に思わず引き込まれながら歩きました。

 一向宗を広めるために建てられた称念寺を中心に発展した寺内町である今井町は、江戸時代には商業都市として栄え、「大和の金は今井に七分」「金の虫干し玄関まで」と言われるほどになりました。現在は、東西600m、南北310mが国の重要伝統的建造物群保存地区に指定され、9棟の建物が国の重要文化財、3棟が県の指定文化財、5棟が市の指定文化財に登録されるなど、近世以前の街並みがこれほど残されている場所は日本では他にはないと言われています。NHKの朝ドラ、「ごちそうさん」や「朝がきた」もこの町で撮影されています。

 この日は、国の重要文化財で八棟造り(やつむねづくり)とよばれている豪壮な今西家を見学させて頂き、奥様から詳しく説明を受けました。現在の今西家は、1650年に裁判を行うため改築された陣屋で、1階の広い土間はお裁きの場として使われたそうです。厨子2階にはいぶし牢があり、かつては主屋と接続して牢屋もありました。一階の間取りは2列6室の六間取りで、中央のなんどは一段上がった敷居をまたぐ形式になっており(「敷居が高い」の語源)、中に入って戸締りをすると、外部からとは完全に遮断されるようになっているそうです。

 また、肥料や大和綿で財をなした豊田家は両替商も営み、大名貸で豪商の基盤を築きました。豊田記念館では、歴代の当主が収集、愛用した4,000点に及ぶ江戸時代中期からの書画、骨董、陶磁器、古美術品、そして書き残された古文書、当時を偲ぶ生活用品等が展示され、珍しい「今井札」(藩札と同じ価値のある今井町独自の紙幣)の実物まで見ることができました。

 今井町を歩くと、立派な屋根瓦と白い漆喰壁の家をたくさん見ることができます。町に住む方達の並々ならぬ保存への意欲を感じました。なお、毎年5月の第3日曜日には、重要文化財や伝統的な建造物を無料公開しているそうです。