奈良支部だより第71号に「第244回佐保カルチャー報告」が掲載されましたので、ご紹介いたします。

参加された方はあの日の感動がよみがえられるのでは。参加されていない方は次回をご期待ください。

 

244回 佐保カルチャー報告 

         生体防御としての免疫について

 

 色づき始めた木々の装いも美しい10月29日(土)、参加者40名で、奈良女子大学理学部化学生物環境学科教授吉川尚男氏の講演が奈良県文化会館で開催されました。

 哺乳類を始めとして脊椎動物に見られる高度に発達した自身を外敵から守る機能として獲得した免疫システについて、専門性の高い内容を多くのスライドを使って、高校生を含む参加者に分かりやすく解説してくださいました。

  身近な「輸血」と「臓器移植」を例に、血液型が同じであれば、輸血はできるが、臓器移植はなぜできないか、とう問いを立て、免疫の基本である「自己」と「非自己」の区別・認識について説明くださいました。「自己」と「非自己」では一般には「抗原」が異なり、ヒトの赤血球は両者を見分ける「抗原」が存在しない為、他人に輸血できるが、赤血球以外の細胞には「自己抗原」が存在し、それが他人には「非自己抗原」となることを教わりました。

 続く実際のマウスを使った実験からは、異物である「非自己抗原」が体に侵入してからどのように抗体が作られかという「抗体産生」について、数値を上げて詳しく説明してくださいました。実験機器のエライザプレートの実物を手にし、「抗原産生」とその反応性など一層深く印象付けられました。

 質疑応答も活発で免疫についての深い学びは、科学リテラシー、免疫力を高めることに効果を発揮しました。

 楽しく貴重なご講演に深謝申し上げたく存じます。

                                        キャンベル早川久美子  (H8文修教)

 

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第244回佐保カルチャー

 

    生体防御としての免疫について

     

      講師 奈良女子大学理学部化学生物環境学科 准教授 吉川尚男氏

 

 

      日時     令和4年10月29日(土)午後2時~4時 

      会場     奈良県文化会館 小ホール     

      参加費    500円(学生は無料)         参加人数   40名  

 

 見事な秋晴れの中、正倉院展やフードフェスタなどの催しが一斉に始まりました1029日(土)に、奈良県文化会館小ホールで、244回佐保カルチャー「生体防御としての免疫について」を、高校生3名を含む40名の参加者を迎え、無事開催いたしました

奈良女子大学で講義科目「免疫学」を新設された吉川先生のお話は、「血液型が同じなら輸血はできるが、臓器移植がでいのは何故か」という問いかけから始まりました。そして、その答えである疫の基本『「自己」と「非自己」を区別・認識する仕組み』について、分かり易く解説いただきました。

続いて、マウスの体内に異物である「非自己抗原」が侵入してから、その抗原に対する抗体が体内でように作られていくのかという「抗体産生」について、実験の様子と共詳しくご説明いただきした。ワクチンの効果が接種後直ぐには出ないということが、よく分かりました。

また、講演後の質疑応答では、ワクチンの種類、接種後の抗体価の下がり方や副作用、免疫力の高め方な多くの質問が出て、皆様の関心の高さがうかがえる講演会となりました。 

 

*第244回佐保カルチャーの報告は、2月発行予定の「奈良支部だより71号」に掲載予定です。どうぞ、お楽しみに。