奈良支部だより第71号に「第243回佐保カルチャー報告」が掲載されましたので、ご紹介いたします。
参加された方はあの日の感動がよみがえり、参加されていない方は次回への期待が沸き上がることと思います。
第243回佐保カルチャー報告
「奈良きたまち・京街道」
台風が三つも迫り気温は35℃という9月14日、3年ぶりの現地見学会が開催されました。コロナ禍に配慮して15名ずつの二班に分かれ、説明を聞いたり食事をしたりしながら、元気に歩きました。
奈良豆比古神社は、771年から続く格式の高い神社で、猿楽を発達させた神を祀っています。資料館には、二条家に手伝いに行った時の記録が残り、歴史的に貴重な資料となっています。氏子は150軒ほどあり、翁舞を継承しています。
街道を南に歩くと、鹿せんべいの工場武田商店の前を通り、植村牧場につきます。明治16年からの木造牛舎が並んでいます。耐震工事には宮大工さんの技が生かされたそうです。障がい者の雇用に早くから取り組んでいることでも注目されています。
道を挟んで向かい側が般若寺。コスモスはまだちらほらと咲き始めたところでしたが、本堂でお話を伺いました。境内の奥には会津八一の夕日地蔵の歌碑があります。
さらに歩くと、旧奈良少年刑務所のレンガ造りの美しい外観があり、北山十八間戸もすぐそばです。もとは般若寺の北東にあったものが、江戸時代に建てかえられたといわれています。
夕日地蔵は交差点の少し奥にある2mほどの石仏です。
ならざかの いしのほとけ の おとがひに こさめな がるる はるはきにけり
と会津八一が詠んでいます。
このあと京街道は転害門まで奈良豆比古神社からだと約1500mになりますが、今回は、最寄りのバス停から奈良駅にもどりました。
(矢野佳津 S59文国)
奈良豆比古神社の資料館(事前予約が必要)
翁舞で使用された面の写真(本物は奈良国立博物館に保管)や奈良阪に伝わる神社周辺の絵地図など貴重な資料を展示。
植村牧場 代表取締役 黒瀬玲子氏の講演概要
大学を出て会社員だったが、26歳で父が倒れ、牧場の後を継ぐことになった。北海道の牧場で修行。いろいろ勉強した。
奈良に帰って障がい者雇用を始めた。障がい者の知識もなく、いろいろ苦労はあったが、寮で一緒に生活し、生活習慣や仕事について彼らの特性を生かす指導を根気よくしていくうちに少しずつできるようになり、心も通じるようになった。今は十名ほど働いているが、地域の方々の理解や協力も得て、一緒に仕事をする仲間として貴重な存在となっている。
植村牧場での取り組みを全国各地で講演している。
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第243回佐保カルチャー
奈良きたまち・京街道
日時 令和4年9月14日(水)午前10時~午後3時30分
場所 奈良豆比古神社、植村牧場、般若寺 他
参加費 2000円(食事、保険等含む、 般若寺の拝観料は別途個人負担)
参加人数 32名
厳しい残暑でしたが、時折吹いてくる秋風の中、熱中症対策に気を配りながら、第243回佐保カルチャー「奈良きたまち・京街道」を 、無事、開催することができました。
集合場所である、奈良豆比古神社の、宮司さんの解説付き資料館見学・樹齢千年超えの樟の巨樹に始まり、京街道沿いに、植村牧場の、宮大工が建てた木造牛舎(北海道から取り寄せの「牛」が屋根に乗っていました)・黒瀬さんの障害者雇用のご苦労話、般若寺の、ご住職のお話と花々・会津八一の歌碑、旧少年刑務所の赤レンガの門、北山十八間戸、夕日地蔵まで、見どころ・聞きどころが満載の佐保カルチャーとなりました。
また、植村牧場レストラン「いちづ」のランチも忘れてはいけません。クリームコロッケとデザートのソフトクリームはいくらでも食べられそうでした。
参加者の皆様、盛沢山な1日を十分ご堪能いただけた様子でした。
*第243回佐保カルチャーの報告は、2月発行予定の「奈良支部だより71号」に掲載予定です。どうぞ、お楽しみに。