奈良支部だより第70号に「第238回佐保カルチャー報告」が掲載されましたので、ご紹介いたします。

参加された方はあの日の感動がよみがえり、参加されていない方は次回への期待が沸き上がるのでは!

 

238回カルチャー報告

  奈良には古き仏たち(6)―東大寺戒壇院の四天王像―

  

やっと開講できた鈴木喜博先生による「奈良には古き仏たち」のシリーズ、第六回の今回も待っていてくださった人が多く61名の聴講者、奈良県文化会館小ホールで、4月26日に開講しました。

今回のテーマは東大寺戒壇堂の四天王像です。戒壇堂が現在修理中で、四天王像は東大寺ミュージアムに移されています。目の高さで、背面もしっかり見られるこのチャンスに間に合って鑑賞の手引をじっくり聴けたのは幸いでした。

先年、須弥壇の修理のために法華堂(三月堂)の仏像は全て移動、その際に本尊不空羂索観音像の八角基壇も調査されました。その結果、当初その八角基壇上に中尊不空羂索観音像を中心として、梵天・帝釈天(伝日光・月光菩薩)像とこの四天王像が安置されていたことが、痕跡から判明しました。この四天王像はいつの時代にか、上院地区の法華堂から大仏殿の西に移されていたのです。壊れ易い塑像がそんな歴史を経て千年以上も守られてきたことは、奇跡とも言えます。

用意してくださった資料の多数の写真で、まず飛鳥・白鳳彫刻から鑑真以降のそれまでの時間軸の中での天平彫刻の特徴を解説されました。更に、表情が酷似する法華堂の執金剛神像との細部の比較です。彫刻としては生硬さの残る執金剛神像を経て到達した天平彫刻の最も完成された姿だと解説されました。また、当初一具であった梵天・帝釈天像との比較や邪鬼の表現に至るまで、四天王像の魅力を語っていただきました。

予定では、次回は法華堂の諸像がテーマです。今回と関連させて天平彫刻の魅力を紹介していただけるのが楽しみです。 

 

                           (山口裕子S42文国・S43文專国)

 

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第238回佐保カルチャー

 

 奈良には古き仏たち(6)ー 東大寺戒壇堂の四天王像 ー

 

                        講師   奈良国立博物館名誉館員   鈴木喜博氏

 

             日 時 : 令和4年4月26日(火)午前10時~午前11時30分

             会 場 : 奈良県文化会館2階 小ホール      

       参加費 : 500円(学生は無料)      参加者 : 61名     

 

   コロナ感染症の影響で、延期が続いておりました第238回佐保カルチャー「奈良には古き仏たち-東大寺戒壇堂の四天王像-」  を426日(火)に奈良県文化会館小ホールにて、無事、開催いたしました。人気の鈴木喜博氏による待望の講演で、参加者61名を迎え、盛況のうちに終えることができました。

 今回の講演は鈴木先生による仏像シリーズ第6弾となり、最初は東大寺法華堂(三月堂)の中尊不空羂索観音像の護法神として安置され、その後、戒壇堂に移されたのではと考えられている「戒壇堂の四天王像」についてでした。天平以前の飛鳥・白鳳期、天平以後の平安初期、同じ天平期と、それぞれの仏像と比べることで、日本彫刻史上における古典様式の頂点と言われる四天王像の魅力を、鈴木先生の写真満載の配布資料の冊子とともに、皆様、ご堪能いただけたのではと思います。

 

 *第238回佐保カルチャーの報告は、7月発行予定の「奈良支部だより70号」に掲載予定です。どうぞ、お楽しみに。